手数料は一行ではない
取引所の広告には取引手数料率が一行で大きく出ていますが、暗号資産を買って売るまでに実際に出ていくお金は何層にもなっています。注文が約定した時に差し引かれる取引手数料、買値と売値の幅であるスプレッド、大きな注文がいくつもの気配を食って生じるスリッページ、暗号資産をほかへ移す時にかかる出金手数料があります。取引所を移り歩けば、為替や国内外の価格差までコストになります。この記事は特定の取引所の料率を比べるのではなく、どの取引所を使ってもコストを漏れなく数える方法を扱います。料率はよく変わるので、数字は各取引所の公式の手数料案内で確認してください。
取引手数料と往復のコスト
取引手数料は約定金額に料率を掛けて毎回かかります。たとえば料率を0.05%と仮定すると、100万ウォン分を買う時に500ウォン、同じ金額で売る時にまた約500ウォンが差し引かれ、一度買って売る往復で約0.1%かかります。この数字は小さく見えますが、回数に比例します。同じ料率で一日に十回往復すれば一日で約1%、一か月なら元本に対してかなりの割合が手数料として出ていきます。短く頻繁に売買するやり方ほど、手数料が結果を左右する理由です。手数料がウォンで引かれるのか、受け取った暗号資産の数量から引かれるのかも取引所によって違うので、約定履歴で確かめておくとよいでしょう。
- 仮定の料率0.05%:100万ウォンの買いで500ウォン、売りで約500ウォン
- 往復で約0.1%、一日十回なら約1%
- 短く頻繁な取引ほど手数料の比重が大きくなる
- ウォンで引かれるか数量から引かれるかを確認
メイカーとテイカー
指値注文を出して板に置き、後から約定すればメイカー、すでに置かれている気配をすぐに取る成行注文や、すぐに約定する指値注文はテイカーと呼びます。メイカーは板を厚くしてくれるので、多くの取引所はメイカーの料率を低くしたり、取引量の段階に応じて料率を下げたりします。一方で、メイカーとテイカーを区別せず同じ料率を適用する取引所や市場もあります。同じ指値注文でも、出した瞬間に約定すればテイカーとして計算される点がよく混乱するところです。
市場やキャンペーンで違う料率
同じ取引所の中でも、ウォン市場、ビットコイン市場、ステーブルコイン市場で料率が違うことがあります。韓国の取引所は手数料無料や割引のキャンペーンをよく行いますが、対象の銘柄と期間が決まっていて、終われば基本料率に戻ります。クーポンのように申し込まないと適用されない方式もあります。そのため「手数料がいちばん安い取引所」という記事は、書かれた時期を過ぎると当てはまらないことがよくあります。実際に使う市場と銘柄にいま適用される料率を、取引所の公式案内で直接確かめるのがいちばん確かです。
スプレッドとスリッページ
板でいちばん高い買い気配といちばん安い売り気配の差がスプレッドです。成行で買ってすぐ成行で売れば、取引手数料がなくてもスプレッドの分だけ損をします。取引の多い銘柄はスプレッドが呼値一つ分ほどと狭いものの、取引の少ない銘柄では数%開くこともあります。スリッページは、注文数量がいちばん前の気配の数量より大きく、次の気配、その次の気配まで約定して平均約定価格が不利になることです。急に動く局面では気配の数量が一瞬で空になり、スリッページが大きくなります。この二つのコストは手数料案内には出てきませんが、約定履歴の平均価格を見れば表れます。
- スプレッド:最良の買い気配と売り気配の差
- 取引の少ない銘柄ほどスプレッドが広い
- スリッページ:大きな注文が複数の気配を食い平均価格がずれる
- 急変する局面では数量がすぐ空になり大きくなる
出金と取引所間の移動のコスト
暗号資産をウォレットやほかの取引所へ送る時は出金手数料がかかり、ふつうは金額に比例せず、銘柄とネットワークごとに決まった数量です。そのため少ない金額を移すほど、出金手数料の占める割合が大きくなります。同じ銘柄でもネットワークによって手数料は違いますが、受け取り先が対応していないネットワークを選ぶと資産を失うことがあります。取引所の間を移す場合は、送る側の出金手数料、受け取る側の取引手数料、二つの市場の価格差、ウォンとドルの間の両替コストがすべて合わさります。画面に見える価格差が大きくても、これらのコストと移動にかかる時間を差し引くと、何も残らないか、かえって損になることがあります。
自分で計算してみる手順
コストを一度きちんと数えておくと、取引のやり方を変える時の基準になります。このサイトの「板情報 オークションハウス」はバイナンスの板を段階ごとの数量で示すので、買いたい数量が先頭の何段で収まるか、スプレッドがどのくらいかを前もって見られます。「暗号資産バックテスター」は手数料(初期値0.1%)とスリッページ(初期値0.05%)を変えて入れられるので、同じルールでもコストの仮定によって結果がどれだけ変わるかを確かめられます。「パーセント計算」を使えば、往復のコストが元本の何%かをすぐに計算できます。
- 1. 使う市場の現在の取引手数料率とメイカー・テイカーの区別を確認
- 2. 板でスプレッドと注文数量に対する数量を確認
- 3. 往復コスト=買いの手数料+売りの手数料+スプレッド・スリッページ
- 4. 移すなら出金手数料・両替・価格差まで足す
- 5. 一か月の取引回数を掛けて元本に対する割合で見る
まとめと注意
暗号資産の取引コストは手数料率一行ではなく、取引手数料、スプレッド、スリッページ、出金手数料が重なったもので、売買のたびに二回ずつかかり、回数に比例して大きくなります。料率とキャンペーンは取引所や時期によって違うので、実際に使う市場の公式の手数料案内を確認してください。この記事の数字は計算を示すための仮定で、特定の取引所を推薦したり投資を勧めたりするものではありません。
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